
自分で実際に鑑賞した作品をレビューします。
カッコ【】内には、個人的なおすすめ度を★3つで評価しています。
最後まで飽きない、ハラハラドキドキ系
ロード・トゥ・パーディション 【★★★】

ただの「ドンパチ映画」ではありません。
マフィアの抗争に翻弄されながらも絆を貫こうとする父と子の物語です。
トム・ハンクスが演じる主人公は、冷酷な殺し屋でありながら、一人の父親でもある。
その渋さと哀愁がとてもカッコイイ。
さらに、ジュード・ロウが演じる殺し屋の気持ち悪さが非常に良い。
クライマックスでつい体が反応してしまったほど、最初から最後まで飽きのこない緊張感のある映画です。
スタイリッシュで切ない、極上のクライムドラマをぜひ観てほしい。
心に栄養が欲しい時に見てほしい
眠りの地【★★★】

『眠りの地』(The Burial)は、2023年に公開された法廷ドラマ映画で、ジェイミー・フォックスとトミー・リー・ジョーンズが主演を務めています。本作は、実際の裁判を基にした物語で、企業の欲望と正義の戦いを描いています。
映画の中心となるのは、小さな葬儀会社の経営者が、大手企業の横暴に立ち向かう姿です。単なる法廷ドラマにとどまらず、人種問題、社会的不平等といった現代に通じるテーマを巧みに織り交ぜています。物語はシリアスながらも、ユーモアや人間味を交えた脚本が観客を引き込みます。
本作の最大の魅力は、主演二人の演技力にあります。ジェイミー・フォックスは、カリスマ性あふれる弁護士を熱演し、観客を魅了しました。彼の過去作『Ray/レイ』を彷彿とさせるような、魂のこもった演技が光ります。トミー・リー・ジョーンズも、控えめながらも味のある演技で作品に深みを加えています。二人の掛け合いは見どころの一つであり、感情を揺さぶるシーンが多く存在します。
マギー・ベッツ監督の手腕により、法廷シーンは緊張感に満ち、ドラマチックな展開が続きます。脚本も緻密に作り込まれており、実際の事件を基にしながらも、映画としての面白さを損なわない工夫がされています。一部、事実が脚色されているようですが、物語の本質はしっかりと伝わります。
ホールドオーバーズ 置いてけぼりのホリディ【★★★】

クリスマス休暇中の寄宿学校。
問題児の生徒と、厳しくて評判の悪い頑固な教師。
最悪の組み合わせだったはずの二人が、予期せぬ時間を共にすることで、少しずつ心を通わせていく──。
積み重ねられる小さな瞬間の温もりが、じんわりと胸に響く。
最後には、思わず涙がこぼれます。
素敵な人生のはじめ方 【★★★】

名優 モーガン・フリーマン の安定感が光るハートフルコメディです。
彼の圧倒的な存在感と穏やかな語り口や表情で和ませてくれます。
スーパーの店員役を演じる女優 パス・ベガのチャーミングな魅力もこの映画の大きなポイント。
彼女の何気ない仕草や表情がとても良い。
特別何か大きなことが巻き起こるわけではないですが2人の穏やかな雰囲気でほのぼのとした気分にさせてくれます。
ウィ、シェフ! 【★★☆】

シンプルでわかりやすい物語なので気軽に楽しめます。
主人公は名店でスーシェフとして働いていたカティ。
巡り合わせで、移民の子供達を支援する学校を舞台に奮闘することになります。
生徒たちと主人公の絆が少しずつ深まっていく過程がとても心地よいです。
リラックスして観たいときや、心温まる物語を求めている人におすすめです。
欲を言えば、クライマックスにもう一捻り欲しかったので星2つ。
刺激、やる気を貰いたい時にみる
セッション 【★★★】

一流音楽学校を舞台に繰り広げられる極限の心理戦。
自ら指揮を執るカリスマ的存在のフレッチャー教授とドラマー志望のアンドリュー・ニーマンが織りなす壮絶なバトルが繰り広げられます。
フレッチャー教授の圧倒的なプレッシャーの前で、アンドリューは自分の限界と向き合うことになります。
フレッチャー教授の生徒達に対する接し方がとにかく厳しい。
新たなスターの育成に命を捧げ、ジャズを愛する余りに、度を越したパワハラが続いてしまう。こういったシーンは人によっては気分を害す可能性もあるため覚悟を持って観て欲しい。
ドラム演奏シーンは圧巻の一言。
特にラスト15分のクライマックスは、緊張感と興奮がピークに達する瞬間で、何度もリピート再生しました。
何かに挫けそうそこのあなた、”何くそ”という気持ちにさせてくれる映画です。
アンドリュー演じる俳優のマイルズ・テラーはその後、トップガン・マーヴェリックにも出演しています。そちらもご覧になってください。
特に何も起きないが最後まで見てしまう
PERFECT DAYS 【★★☆】

東京で公衆トイレの清掃員として働く男の日常を描く。
彼の細やかな趣味は仕事前の缶コーヒー、カセットテープの音楽、そして観葉植物。
街の木々に微笑み、人とは深くは拘わらず、コツコツと、ただただ真面目に暮らす男の日常がそこにある。
寡黙な主人公ゆえにセリフも多くなく、男の感情をどう読み解くかは観る側の捉え方で千差万別である。是非、自分なりの答えを見つけ出してみて欲しい。
焼肉ドラゴン 【★☆☆】

焼肉屋を営む在日韓国人の家族の物語。
戦争で片腕を失ったオトン、学校で酷くイジメられている息子、足の不自由な長女、次女、三女もそれぞれ問題を抱える。おまけに戦争の混乱に乗じて不法占拠したとみなされて店の立ち退きを迫られる。と、まぁハッピーな要素が一つもない状況。
作品としても期待したものではなかったが、個性豊かな役者の面々と、オトンの一本筋が通った逞しい姿によってなんとか最後まで観ることができた。
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